お墓は遺骨を納める納骨室(カロート・納骨棺)、お墓を囲む外柵、それにお墓の中心である石碑の三つが基本的な構造ですが、様々な付属品がお墓を飾っています。主なものをあげてみます。
お墓には欠かせないものです。花立てはステンレス製の円筒が長持ちするようです。香炉にはお線香を立ててお供えする「縦置型」、寝かせてお供えする「くりぬき型」があります。水鉢は台石に彫る「切り出しもの」と、別づくりするものとがあります。単にお水を捧げるだけのものではなく、お墓全体を引き立てる重要な付属品です。
手水鉢のことです。また、水鉢(みずばち)とも言われます。本来はお墓参りの前に手を洗い清めるものでしたが、最近は装飾品として置かれる要素が強いようです。
墓主を明らかにするため、名前や業績を石などに記したもので、故人の戒名や生年月日、没年、生前の経歴などを刻みます。最近のお墓にはほとんど付属しています。香箱加工、水垂れ加工といった加工方法によって雰囲気も変わります。
塔婆を立てるために必要です。塔婆とは、お墓の周囲に立てる細長い板のことです。塔婆は地面に直接差してある場合もありますが、風が吹いたりすると倒れやすく、危険でもあります。その塔婆を支えるための台が塔婆立てです。石製のものやステンレス製のものが長持ちし、お奨めです。板に書かれる文字は宗派や地域の風習などで異なる、また、宗派によっては使用しない場合もあります。
生後まもなくこの世を去った子供などの供養のために建立されます。背景には親の深い哀惜があります。お地蔵さまは、亡くなった赤ちゃんをご両親の代わりに、天国でお世話してくれると言われ、両親にとって、頼れる仏様だそうです。形としては線彫り、半身彫り、全身彫りの三種類があります。
本来は、お釈迦さまのお墓という意味をもっていましたが、今はお釈迦さまと遠い祖先を偲ぶ象徴となっています。一番多く見られるのは五輪塔です。ほかに五輪塔と同じ意味をもつ多宝塔、密教の流れをくむ宝篋印塔(ほうきょういんとう)などがあります。灯籠を配置するお墓もあります。灯籠は丸墓前灯籠、角墓前灯籠、雪見灯篭、置灯籠が一般的です。
墓地内敷地に敷き詰める小石のことです。お墓の外観をきれいにするという効果があり、雑草などが生えてくるのを防ぐ化粧砂利ともいわれます。黒インド、大磯、那智、五色といった種類があります。墓石の色との調和を考えることが大切です。
名刺受けや供物台、物置台、それに玉垣や拝石、あるいは植木などが、お墓を静かに形づくっています。